推薦のお言葉をいただきました②

姫路獨協大学教員
秋田 啓次

 私が師長を任されていたときは、勤務表の作成に関しては、なかなか日常業務内で行うことができませんでした。ナースコールや患者様、職員の呼びかけに中断されて集中することができず、仕方なく勤務終了後に遮蔽された空間にこもって作成する・・・ということがしばしばでした。そのくらい勤務表作りは困難であると同時に、そこまでしてでも、その質を向上させる必要があ ることを確信していました。

この「勤務表の質」について考えると、労務管理、リスク管理、人材資源管理の3つの視点が あると思います。この3つの要素それぞれの向上を考え、マッチングさせた結果として、看護師 のホスピタリティ向上があると考えます。すなわち、勤務表は病棟目標を達成する戦略そのもの であり、病院の目標のための最も身近な道具であるといえるのです。

OMS の「看護配置マイスター」には、幸いにも開発中に出会うことができました。そのため、 看護管理の現場経験者として意見を半ば強引なほど、反映させることができる機会に恵まれたの です。

勤務表は、いつの時代、どこの診療科、どの病院においても常にベストセラーです。その理由は、たくさんあります。たとえば、勤務表を受け取る看護師サイドにとっては、横軸が今月のライフプロセス(スケジュール)であり、縦軸は、病棟での質のプロセスとなります。どのような1ヶ月になるかということと、どのような病棟での一日になるかということの2つの概念の歩み 寄りと妥協の結果の最終案であると言えます。

また、勤務表は、2次元で作成されますが、本人のスケジュールや個人目標、患者の療養の質 の向上、看護管理上の3つの視点の達成など、幾重にも重なったキュービズムになっているのです。これらのキュービズムという立体を2次元で表現するために、看護師長は時間をかけ、宇宙 空間を彷徨うが如く考えに考え抜いて作成されます。

もしこの勤務表があらかじめの条件設定をするだけで、約1分間で作成されるとしたらどうでしょうか?その勤務表は、看護師長のねらい通りに事前入力に合致した条件をクリアしているだけでなく、作成された勤務表は、あくまでソフトが作成したものであるため、師長の感情移入 のない、公正性の高いものになっているのです。

さらに、この「看護配置マイスター」は、個人の性格分類を4つに区別し、相補的に補完し合えるだけでなく、相性のマッチングまで考える優れたものになっています。私が病棟管理者をしていたときには、労務管理上のソフトしか発明されておらず、作成された勤務表を相性や個性で修正する必要がありました。そのため、いくら短時間で勤務表が作成されても、その修正に多くの時間と労力を費やしていました。 当時からこのようなソフトがあったらともっとベッドサイドを訪問し、医療の質の向上目指すこ とができただけでなく、看護師の個人面接もゆっくり膝をつき合わせて対話をすることが出来たことでしょう。そうすれば、お互いに不幸な離職を防止できていたかもしれません。


【 秋田様プロフィール 】
看護師として京都大学病院、東京大学病院の手術部と精神科に従事し、公的機関の脳神経外科・整形外科で病棟課長、精神科で看護師長を経験。
教育では、精神保健領域、看護管理等を非常勤講師として担当。文京学院大学大学院で医療経営を3年間学んだ後、 医療法人の理事長補佐と施設長を経験し、公的病院で総務業務を覚えた後、現職。
リスクマネジメント協会リスクマネジメントフェロー、医療経営実践協会現任教育関東支部ファシリテーター
著作に『老年・成人看護学 12』共著、『心のナースコール』共著など。