13対1病棟の看護配置上の留意点(2017.3.1)

 師長様より、ご自分が管理する病棟が満たすべき看護配置基準につき、どこをどう調べて良いか分からない、というご相談をしばしばお受けします。そこで、13対1病棟を例にとり、満たすべき看護配置基準の調査方法について、以下に書かせていただきました。(※本コラム掲載時点の情報となりますのでご注意ください)


ポイント1:どこを調べればよいか?


厚生労働省「平成28年度診療報酬改定について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html

ここに現行の診療報酬制度に関する全ての情報があります。チェックすべきは、以下の2項目です。

「(5) 1 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)」
ここには、満たすべき看護配置基準に関する情報があります。

「(5) 2 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」
ここには、満たすべき看護配置基準の考え方に関する情報があります。


ポイント2:満たすべき看護配置基準のチェック


 厚生労働省「平成28年度診療報酬改定について」の「(5) 1 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)」PDF14ページ目より、13対1入院基本料の看護配置基準につき以下の記述があります。

(以下引用)
ハ 十三対一入院基本料の施設基準
①当該病棟において、一日に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が十三又はその端数を増すごとに一以上であること。ただし、当該病棟において、一日に看護を行う看護職員の数が本文に規定する数に相当する数以上である場合には、各病棟における夜勤を行う看護職員の数は、本文の規定にかかわらず、二以上であることとする。
②当該病棟において、看護職員の最小必要数の七割以上が看護師であること。
③当該病棟の入院患者の平均在院日数が二十四日以内であること。
※原本は縦書きです。


満たすべき基準は分かりましたが、考え方が分かりません。そこで、次の項目です。


ポイント3:満たすべき看護配置基準の考え方のチェック


厚生労働省「平成28年度診療報酬改定について」の「(5) 2 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」PDF21ページ目より、看護配置基準の考え方について以下の記述があります。

(以下引用とコメント)
(2) 看護要員の数については、次の点に留意する。
ア 看護要員の数は、届出時の看護要員の数とする。
イ 当該届出病棟に配置されている看護要員の数は、1勤務帯8時間で1日3勤務帯を標準として、月平均1日当たりの要件を満たしていること。なお、出産、育児又は家族介護に関する休業等が確保されるよう配慮を行うこと。
ウ 看護要員の数は、病棟において実際に入院患者の看護に当たっている看護要員の数であり、その算定に当たっては、看護部長等(専ら、病院全体の看護管理に従事する者をいう。)、当該保険医療機関附属の看護師養成所等の専任教員、外来勤務、手術室勤務又は中央材料室勤務等の看護要員の数は算入しない。
ただし、病棟勤務と外来勤務、手術室勤務、中央材料室勤務又は集中治療室勤務等を兼務する場合は、勤務実績表による病棟勤務の時間のみを看護要員の数に算入することができる。
オ 臨時職員であっても継続して勤務に服する者は、給与の支払方式が日給制であるか否かにかかわらず、看護要員の数に算入することができる。ただし、継続勤務については、特に被保険者証等により確認する必要はなく、実態に応じて判断すること。なお、職業安定法(昭和22年法律第141号)の規定に基づき、職業紹介事業を行う者からの紹介又は労働者供給事業を行う者からの供給により看護要員を雇用した場合、労働者派遣事業の適切な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)に基づき、紹介予定派遣として派遣された場合及び産前産後休業、育児休業、育児休業に準ずる休業又は介護休業中の看護要員の勤務を派遣労働者が代替する場合は、雇用期間にかかわらず看護要員の数に算入することができる。また、看護補助者の雇用形態は問わない。(派遣職員を含むが、指揮命令権が当該保険医療機関にない請負方式等を除く。)

【ヒント】
看護要員とは、看護師または准看護師または看護補助者のことを差します。
看護職員とは、看護師または准看護師の事を差します。

カ 病棟単位で算定する特定入院料(区分番号「A317」に掲げる特定一般病棟入院料を除く。)に係る病棟並びに「基本診療料の施設基準等」の別表第三に規定する治療室、病室、短期滞在手術等基本料1に係る回復室及び外来化学療法に係る専用施設に勤務する看護要員の数は、兼務者を除き算入できない。
キ 看護補助者の数については、次の点に留意する。
(イ) 看護補助者の数を算出するに当たっては、看護職員を看護補助者とみなして差し支えない。なお、入院基本料等の施設基準に定める必要な数を超えて配置している看護職員を看護補助者とみなす(以下「みなし看護補助者」という。)場合には、看護職員の勤務実績に基づいて、実際に勤務した看護職員の総勤務時間数から、当該届出区分において勤務することが必要となる看護職員数の総勤務時間数を差し引いた数を、看護補助者の勤務時間数として算入する。
(ロ) 小児病棟又は特殊疾患入院施設管理加算を算定している病棟等において小児患者の保護に当たっている保育士は、看護補助者の数に算入することができる。ただし、小児入院医療管理料の加算の届出に係る保育士については、看護補助者として算入することはできない。
(ハ) 主として事務的業務を行う看護補助者を配置する場合は、常時、当該病棟の入院患者の数が200又はその端数を増すごとに1以下であること。主として事務的業務を行う看護補助者の数の算出に当たっては、当該保険医療機関の院内規程において、看護補助者が行う事務的業務の内容を定めた上で、1人の看護補助者の延べ勤務時間数のうち事務的業務が5割以上を占める看護補助者を、「主として事務的業務を行う看護補助者」として算入すること。また、主として事務的業務を行う看護補助者については、当該病棟において事務的業務以外の業務を行った時間数も含めて、当該看護補助者の勤務時間数を算入すること。
ク 1か月以上長期欠勤の看護要員、身体障害者(児)に対する機能訓練指導員及び主として洗濯、掃除等の業務を行う者は看護要員に算入しない。

(3) 夜間における勤務(以下「夜勤」という。)については、次の点について留意する。
「夜勤」とは、各保険医療機関が定める午後10時から翌日の午前5時までの時間を含めた連続する16時間(以下「夜勤時間帯」という。)の間において、現に勤務することをいい、当該夜勤時間帯に現に勤務した時間数を「夜勤時間数」という。なお、各保険医療機関において、当該夜勤時間帯を定める場合には、夜勤時間帯以外の時間帯(以下「日勤帯」という。)が、夜勤時間帯と重なる時間が、当該日勤帯の2分の1以下とすること。
イ 看護要員の名簿及び勤務実績表により、各病棟(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等以外の特別入院基本料等を算定する病棟を除く。)ごとに次の要件が満たされていること。
(イ) 看護要員は、常時2人以上であること。
(ロ) 一般病棟、結核病棟及び精神病棟においては、看護職員を2人以上配置していること。(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等を除く。)
(ハ) 療養病棟においては、看護職員1人と看護補助者1人の計2人以上の配置であっても差し支えない。

(ニ) 一般病棟、結核病棟及び精神病棟において、看護職員を2人以上配置している場合にあっては、緊急時等やむを得ないときは、看護補助者が夜勤を行うことができる。
(ホ) (イ)から(ニ)までの要件を満たしている場合は、曜日や時間帯によって、夜勤の従事者が変動することは差し支えない。
特定入院料(地域包括ケア入院医療管理料を除く。また、小児入院医療管理料4、特殊疾患入院医療管理料又は児童・思春期精神科入院医療管理料については、病棟単位で算定する場合に限る。)を算定している病棟に係る看護要員は、夜勤時間数の計算対象としないこと。
エ 夜勤に従事する看護職員(療養病棟入院基本料を算定する病棟にあっては看護要員)の月当たり延夜勤時間数は、1か月又は4週間の当該夜勤時間帯に従事した時間数をいう。
月平均夜勤時間数は、同一の入院基本料を算定する病棟全体(同一の入院基本料を算定する複数の病棟(看護単位)を持つ病院にあっては、当該複数の病棟を合わせた全体)で届出前1か月又は4週間の夜勤時間帯に従事する看護職員(療養病棟入院基本料を算定する病棟にあっては看護要員)の延夜勤時間数を夜勤時間帯に従事した実人員数で除して得た数とし、当該月当たりの平均夜勤時間数の直近1か月又は直近4週間の実績の平均値により、72時間以下であること。すなわち、月平均夜勤時間数は、同一の入院基本料を算定する病棟全体で計算するものであり、病棟(看護単位)ごとに計算するものではないため、病棟(看護単位)ごとに月平均夜勤時間数が72時間以下である必要はないものであること。
また、新規届出直後においては、当該病棟の直近3か月間又は12週間の実績の平均値が要件を満たしていれば差し支えない。


【ヒント】
新規届出直後の扱いについては、該当の場合、厚生局に要確認

なお、療養病棟入院基本料1を算定する病棟の看護要員については、この限りではないこと。
カ 月平均夜勤時間数の計算に含まれる実人員数及び延夜勤時間数については、次の点に留意する。

【ヒント】
平均夜勤時間数=延夜勤時間数/実人数

(イ) 専ら夜勤時間帯に従事する者(以下「夜勤専従者」という。)は、実人員数及び延べ夜勤時間数に含まないこと。
(ロ) 夜勤時間帯に看護要員が病棟勤務と外来勤務等を兼務する場合は、当該看護要員が夜勤時間帯に当該病棟で勤務した月当たりの延べ時間を、当該看護要員の月当たりの延べ夜勤時間(病棟と病棟以外の勤務の時間を含む。)で除して得た数を、夜勤時間帯に従事した実人員数として算入すること。


【ヒント】
病棟以外の部門で夜勤時間数を発生させた場合、当該スタッフの実人数カウントは目減りする

(ハ) 7対1入院基本料及び10対1入院基本料の病棟の実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が16時間未満の者は含まないこと。ただし、短時間正職員制度を導入している保険医療機関の短時間正職員については、月当たりの夜勤時間数が12時間以上のものを含む。
(ニ) 7対1入院基本料及び10対1入院基本料以外の病棟の実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が8時間未満の者は含まないこと。

週当たりの所定労働時間は、40時間以内であること。
ク 夜勤専従者の夜勤時間については、夜勤による勤務負担が過重とならないよう十分配慮すること。
ケ 上記(2)のアからクまで及び(3)のアからクまでに係る看護要員の配置数、人員構成及び夜間勤務に係る具体的な算出方法等については、別添6の別紙5の例を参考とすること。

(4) 看護の勤務体制は、次の点に留意する。
ア 看護要員の勤務形態は、保険医療機関の実情に応じて病棟ごとに交代制の勤務形態をとること。
イ 同一の入院基本料を算定する病棟全体で1日当たり勤務する看護要員の数が所定の要件を満たす場合は、24時間一定の範囲で傾斜配置することができる。すなわち、1日当たり勤務する看護要員の数の要件は、同一の入院基本料を算定する病棟全体で要件を満たしていればよく、病棟(看護単位)ごとに要件を満たす必要はないため、病棟(看護単位)ごとに異なる看護要員の配置を行うことができるとともに、1つの病棟の中でも24時間の範囲で各勤務帯において異なる看護要員の配置を行うことができるものであること。なお、各勤務帯に配置する看護職員の数については、各病棟における入院患者の状態(重症度、医療・看護必要度等)について評価を行い、実情に合わせた適正な配置数が確保されるよう管理すること。
ウ 特別入院基本料を算定している保険医療機関については、各病棟の看護要員数の2割を看護師とすることが望ましい。

上記をもとに、正しい看護配置がなされていることを証明する書類が、様式9です。

ポイント4:様式9への会議時間等の計上


病棟勤務管理においては、上記に基づき作成された勤務表をもとに、様式9を作成することになるわけですが、会議時間等の計上には注意が必要です。診療報酬改定の度、細かい解釈が変更になります。平成28年度診療報酬改定時点の解釈を下記にまとめました。

【計上可能なもの】
  • 病棟勤務中の休憩時間
  • 病棟外部門と兼務した場合の病棟勤務した時間帯
  • 研修・会議 施設基準を満たすために必要な月1回程度定期的に開催される、院内感染防止対策、褥瘡対策、安全管理のための委員会 及び安全管理体制確保のための職員研修
  • 病棟の管理業務を行う看護師長の勤務時間
【計上できないもの】
  • 残業時間
  • 研修・会議 (原則不可但し前述の研修・会議を除く)
  • 専ら病院全体の管理を行う看護部長の勤務時間
  • 専ら病院全体の管理を行う看護師長の勤務時間
  • 当直業務
今回の改定により、
  • 院内感染防止対策に係る委員会、院内研修
  • 医療安全管理体制に係る委員会、院内研修
  • 褥瘡対策に係る業務時間、対策委員会
  • 行動制限最小化委員会
などについては、施設基準を満たすために必要な月1回程度定期的に開催される、院内感染防止対策、褥瘡対策、安全管理のための委員会及び安全管理体制確保のための職員研修以外は計上できなくなったことに注意が必要です。
また、看護部長、看護師長の管理業務については計上できなかったものが病棟の管理業務を行う看護師長の勤務時間については計上できるようになりました。

ポイント5:様式9への申し送り時間の計上


申し送り時間数の計上についても注意が必要です。

勤務の引き継ぎのための申し送り時間は、申し送りを「受ける」側の勤務帯の勤務時間数に含めます。
申し送りを「送る」側は勤務時間数には含めてはいけません。(但し、一部職員間での申し送りの際、看護提供している看護職員は勤務時間数として含めることも可能とされています。)